経典を読む
スッタニパータ  ダンマパダ  ウダーナヴァルガより   
  • 蛇の毒が(身体のすみずみに)ひろがるのを薬で制するように、怒りが起こったのを制する修行者(比丘)は、この世とかの世とをともに捨て去る。  蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。                                                                             
  • 内に怒ることなく、世の栄枯盛衰を超越した修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。  蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。                                                               
  • いかなる生物生類であっても、おびえているものでも強剛なものでも、ことごとく、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。                                                                          
  • 何人も他人を欺いてはならない。たとえどこにあっても他人を軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。                                あたかも、母が己が独り子を命をかけても護るように、そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の(慈しみの)こころを起すべし。                                                        
  • この世において欲望を制することなく、美味を貪り、不浄の生活をまじえ、虚無論をいだき、不正の行いをなし、頑迷な人々、 これがなまぐさである。 肉食することがなまぐさいのではない。
  • 貧欲と嫌悪とは自身から生ずる。好きと嫌いと身の毛のよだつこととは、自身から生ずる。諸々の妄想は、自身から生じて心を投げ打つ。
  • もしもかれが荒々しい言葉を語り、他人を苦しめ悩ますことを好み、獣のごとくであるならば、その人の生活は、さらに悪いものとなり、自分の塵穢れを増す。
  • 自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ。これこそ実に善く説かれたことばなのである。
  • ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。 車をひく牛の足跡に車輪がついていくように。
  • 実にこの世においては、怨みに報いる怨みをもってしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。